昔は、価格がすべての甲類しょうちゅうとパック酒をメインに製造・販売をしていました。パック酒は、日本青年会議所酒類部会に所属している際に大手清酒メーカーの見学に行って即座に製造を止めました。私の父たちから給料はウチの方が安いから原価はウチの方が安いと言われていましたが一瞬で悟りました。製造数量と製造をスタッフの数を聞いて。
ただ、安い酒と言っても原料のお米代が安いだけで後は全く同じ行程で日本酒を仕込んでいました。その当時は、但馬(兵庫県北部温泉町)杜氏が毎年蔵にやって来ていました。彼らと、1日の作業が終わった後に飲むお酒と夕食は楽しいものでした。
考えてみると笑顔で楽しいと思っている人が造るお酒の方が美味しいんじゃないか?私たちの原料米を作って頂いている農家の人たちが作り甲斐があると思って頂ける酒蔵にならないといけないんじゃないか。私たちの会社と取引する人たちが笑顔になれるウインウインの会社にならないといけないんじゃないかと思いました。
私たち明石酒類醸造に関わる全ての人が笑顔になれる。誇りに思える。そんな会社でいたいと考え社是を「全ての人に酒と笑いと幸せを」にしました。笑顔になるお酒をいつもでも造り続けたいと思っています。
余談ですが、この社是を英語であるイギリス人に説明した時、彼は一言「デンジャラス(危険)」と言いました。何故と言う私の問いに彼は、「そんな気分になるものはドラッグ以外無い」と答えました。所変わればと言いますが、日本の当たり前が通じないのが海外です。私たちは、海外で発売前に商品名を海外の得意先に事前にリサーチします。稀に、現地の言葉で商品名に向かない意味だったり同じような名前の有名ブランドがあったりするので注意が必要です。