イギリスで始めたこと

コンサルタントとしてサットンさんが加入してロンドンで一番最初にしたことは、イギリス人に清酒明石鯛のエントリーブランドを決めることでした。どうやって決めたかと言うと単純な方法でした。日本人オーナーが経営されている居酒屋さんにご協力頂き、そのお店を訪れた外人さんに弊社のお酒を5種類全て試飲をして頂きました。当時の明石鯛のラインナップは、純米大吟醸酒・大吟醸酒・純米酒・本醸造原酒・本醸造酒の5種類でした。お盆にそれぞれのお酒を入れたプラカップを乗せて1人1人アンケートを取りました。美味しいか?好みか?そして一番肝心なことですが、お金を払って買うか?でした。それを、延々としました。結果、私としてはショックな事実が浮かび上がりました。当時、輸出はアメリカが注目されていて純米酒しか売れないと言われてました。ですから、一番の推しは純米酒にしていました。ところが、一番不人気だったのが純米酒でした。

そして、私たちは、純米酒を販売リストから外すことを決めました。当時は、「Junmai Daiginjo」「Honjozo」など、ちゃんと発音出来る人はあまりいませんでした。特に私たちは、最初からローカルマーケットに挑んでいたので、なおのことでした。しかし、4種類と言う少ない品目にしたことが、馴染みの無かった現地の方にも覚えて頂けたのだと思います。さらに、偶然でしたが、弊社のラベルに「跳ね鯛」をロゴとして使用していました。漢字が読めない現地ローカルの人にとって絵で判別できる事も良い結果を生みました。違う機会に書かせて頂きますがラベルやロゴも考えて作る必要があります。見た目は本当に大事です。

私たちは、日本酒4種類に加えて梅酒を入れた5種類を携えて、再度アメリカを除く展示会に出展を続けました。ですが、成果が思うほど出ていませんでした。

そこで、サットンさんの助言もあり、大きな飛躍となった最後の決断を行いました。それは、イギリス以外の国は捨てるという選択でした。他の国からどんなにオファーが来てもイギリスだけに注力しました。若奈さんは、代理店のセールスと同行をしたり、一人で一軒一軒ノックしてお酒を持って周りました。このコツコツの積み重ねが現在の成功の糧になっていることは間違いありません。

少ない人で輸出する場合は、一つの国に集中してそこで成功例を作って、そこから違う国に拡げていくことをお勧めします。私たちはイギリスだけに特化して4年ほど経過してからヨーロッパそして最後にアメリカへと進出しました。アジアは、2019年くらいから本格手にチャレンジを始めています。少ない人と資源であれば、やはり1か所に集中して販売先の確保をする。そして、そのお店と一緒に販売が増える方法を考える。どんな小さなお店でも売れるようになれば違うお店も置いてくれるようになります。大きくドカンと市場が作ることが出来るのは大手企業だけではないでしょうか。

商品を絞り、エントリーブランドを本醸造酒としてイギリスのマーケットのみをターゲットにして数年間挑み続けたことが成功の大きな一因であることは間違いありません。新しいものを次から次へと出しても日本語が読めない人にはどこが違うのか理解できません。私は出来る限り絞ることをお勧めします。

昨日、英国航空の機内誌に明石鯛 純米大吟醸原酒が掲載されました。誰も乗っていない中での機内誌ですが目に留まることを願ってます。

下記に機内誌のリンク先を載せました。ぜひご覧ください。

http://theclub.ba.com/february-2021/en/around-the-world-in-five-(avios-earning)-drinks/

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